特定遺贈と代償分割
こんにちは、西宮・尼崎エリアの相続に強い税理士、香川晋平です。
前々回、前回と代償分割について解説しました。
前々回の記事
尼崎の相続税理士が教える!「代償分割とは?」の記事はこちら
前回の記事
尼崎の相続税理士が教える!「代償分割した場合の相続税の課税価格」の記事はこちら
そんな中、先日、下記のようなご相談を受けました。
ご主人を早くに亡くした方が、ご主人のお母様の世話をずっとされてきたそうで、そのお母様から自宅を遺贈してもらうことになったとのこと。その代わりに、その方の預金をご主人の兄弟に渡したいと考えているとのことでした。
まさに代償分割のご相談ですが、残念ながらこのケースでは、代償分割はできません。
今回はこのケースについて、解説しますね。
遺贈とは、遺言によって財産を贈与することですが、遺贈には「特定遺贈」と「包括遺贈」の2つの遺贈があります。
今回のケースのように、特定の財産(自宅)を贈与するという遺贈は特定遺贈といい、財産の半分を贈与するというように遺産全体に対する割合で贈与するものを包括遺贈といいます。
特定遺贈は、特定された遺産だけを相続するのに対し、包括遺贈は、割合だけが決められているだけですので、包括遺贈で遺産を取得した者はプラスの財産だけでなく、債務なども引き継ぐことになります。
ところで、代償分割とは、共同相続人又は包括受遺者のうち1人又は数人が相続又は包括遺贈により取得した財産の現物を取得し、その現物を取得した者が他の共同相続人又は包括受遺者に対して債務を負担する分割の方法をいいます。
したがって、代償分割をすることができるのは、相続又は包括遺贈によって財産を取得した者ということになるため、今回のケースのように、特定遺贈によって遺産を取得した者が他の共同相続人に対して債務を負担するということは、残念ながら認められないのです。
このように、ややこしい規定もありますので、代償分割を検討される際には、やはり専門家にご相談されてみることをオススメします。
もちろん、私どもでも代償分割について、しっかりアドバイスさせて頂きます。
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