相続時精算課税選択の特例の要件
こんにちは、西宮・尼崎エリアの相続に強い税理士、香川晋平です。
前回は、住宅取得等資金の贈与と相続時精算課税選択の特例の併用について、解説しました。
今回は、前回記事の補足として、相続時精算課税選択の特例の要件について、解説しますね。
まず、贈与を受ける方(受贈者)の要件として、次のすべてに当てはまる必要があります。
■受贈者の要件
1 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人または孫であること。
2 贈与を受けた年の1月1日において、18歳(*)以上であること。
*「18歳」とあるのは、令和4年3月31日以前の贈与については「20歳」となる。
3 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人から住宅用の家屋の取得をしたものではないこと、またはこれらの方との請負契約等により新築もしくは増改築等をしたものではないこと。
4 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。
5 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること(受贈者が一時居住者であり、かつ、贈与者が外国人贈与者または非居住贈与者である場合を除く)。
6 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、または同日後、遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。
* 贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していないときは、この特例の適用を受けることはできず、修正申告が必要となる。
また、住宅用の家屋の新築、取得または増改築等の要件ですが、対象となる住宅用の家屋は日本国内にあるものに限られ、下記の通りとなります。
■新築または取得の場合の要件
イ 新築または取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が40平方メートル以上で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
ロ 取得した住宅が次のいずれかに該当すること。
1 建築後使用されたことのない住宅用の家屋
2 建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、昭和57年1月1日以後に建築されたもの
3 建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するものであることにつき、一定の書類により証明されたもの
4 上記2および3のいずれにも該当しない建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その住宅用の家屋の取得の日までに同日以後その住宅用の家屋の耐震改修を行うことにつき、一定の申請書等に基づいて都道府県知事などに申請をし、かつ、贈与を受けた翌年3月15日までにその耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき一定の証明書等により証明がされたもの
■増改築等の場合の要件
イ 増改築等後の住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が40平方メートル以上で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
ロ 増改築等に係る工事が、自己が所有し、かつ、居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」または「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。
ハ 増改築等に係る工事に要した費用の額が100万円以上であること。
上記のように、細かく要件が定められていますので、住宅取得等資金の贈与と相続時精算課税特例贈与の併用を検討される際には、専門家にご相談されることをオススメします。
もちろん、私どもでも、しっかりアドバイスさせて頂きます。
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