尼崎の相続税理士が教える!「土壌汚染地の相続税評価」

こんにちは、相続税理士の香川晋平です。

元々、工場やクリーニング店、ガソリンスタンドの敷地だったなどの理由で、その土地に有害物質が存在しているケースがあります。
このような場合、役所による調査や地歴の調査が必要になりますが、特定有害物質による汚染状態が環境省令で定める基準に適合しないと認められる土地のことを土壌汚染地と言いますが、土壌汚染地についての相続税評価はどうなるのでしょうか?
今回はこれについて、解説しますね。

結論から言いますと、土壌汚染地の相続税評価は、下記算式により計算します。
土壌汚染地の評価額 =
汚染がないものとした場合の評価額 -
浄化・改善費用に相当する金額(A) -
使用収益制限による減価に相当する金額(B) -
心理的要因による減価に相当する金額(C)

汚染がないものとした場合の評価額は、路線価等に基づいて評価した価額のことですが、上記A~Cの減額項目について補足すると、下記の通りとなります。

(A)浄化・改善費用に相当する金額
浄化・改善費用は、土壌汚染の除去措置又は封じ込め等の措置に係る費用のことをいいます。

実額を控除するのではなく相続税評価額が公示価格の80%とされていることから、浄化・改善費用も見積額の80%相当額となります。

(B)使用収益制限による減価に相当する金額
使用収益制限による減価とは、土壌汚染の除去以外の措置を実施した場合に、その措置の機能を維持するための利用制限に伴い生ずる減価のことをいいます。

ただ、この使用収益制限については、取引の実例がほとんどない中で、一定の減価割合を定めることができないことから、各案件ごとに個別に判断していく必要があります。

(C)心理的要因による減価
心理的要因による減価とは、土壌汚染の存在に起因する心理的な嫌悪感から生ずる減価のことをいいます。

ただし、その減価の割合等が公表されたことはなく、一般に数値化することも困難であり、取引の実例もほとんどないため、これも各案件ごとに個別に判断していく必要がありますが、実務上は基本的には当該減価について考慮しません。

土壌汚染地の相続税評価については、上記のように定められていますが、具体的な金額を算出するのは非常に困難ですし、また算定は可能だったとしても調査にあたって多額のコストがかかり、そのコストが相続税の節税効果を上回ってしまう可能性もあることから、土壌汚染地の相続税評価を検討される場合には、専門家にご相談されることをオススメします。
もちろん、私どもでも、しっかりアドバイスさせて頂きます。
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