相続税の控除

こんにちは、相続税理士の香川晋平です。
今回は相続税の各種控除について、解説します。

以前に「相続税の申告が必要となる人」で、相続税の計算をする際に、必ず相続財産から控除されるものである、基礎控除について解説しました。 香川晋平基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

上記を超える場合には、相続税申告が必要となるのですが、実は上記の基礎控除以外にも、下記のような各種控除が認められており、これらの活用により、税金を減らすことが可能となるので、ぜひ押さえておきましょう。

1.配偶者控除(配偶者の税額軽減)

1)配偶者が相続する割合が法定相続分以下の場合は相続税はかかりません。
2)配偶者が相続する財産が1億6,000万円以下の場合は相続税はかかりません。
但し、この制度を利用するためには、原則として期限内(10ヶ月以内)に遺産分割協議を完了させて、相続税の申告を済ませておかなければなりませんのでご注意ください。

2.未成年者控除

法定相続人に未成年者がいる場合は、未成年者が20歳に達するまでの年数1年につき、10万円が控除されます。
*相続開始時の年齢が1年未満の端数は1年として計算します。
10万円×(20歳-相続開始時の年齢)=未成年者控除額

3.贈与税控除

贈与税額控除とは、贈与税と相続税の二重課税を防止するために設けられている規定です。
相続開始前3年以内の贈与財産は、相続税の対象として加算されますが、贈与税を既に払っている場合には相続税から控除できます。

贈与税控除額
= 贈与を受けた年分の贈与税額 × 
  (相続税の課税価格に加えた贈与財産の価額/贈与を受けた年分の贈与財産の合計額)

4.障害者控除

相続人が85歳未満で障害者のときは、障害者控除が受けられ、相続税の額から一定の金額を差し引くことができます。

1)法定相続人が一般障害者の場合
対象者の年齢が満85才になるまでの年数1年につき10万円が控除されます。
10万円×(85歳-相続開始時の年齢)=一般障害者控除

2)法定相続人が特別障害者の場合
対象者の年齢が満85才になるまでの年数1年につき20万円が控除されます。
20万円×(85歳-相続開始時の年齢)=特別障害者控除

5.相次相続控除

ある人が父親を亡くした数年後に今度は母親を亡くしたとします。
このような場合、父親の財産を相続した後すぐに母親の財産を相続することになります。
このように相次いで相続が起きることを「相次相続」といいます。

短い間に相続が2回以上も起こると、前の相続で相続税を払っても、すぐに同じ財産に相続税がかかってくることになります。つまり、通常であれば納税の負担が大きくなります。

そこで、一定の金額を相続税額から引いて、相続税の負担を軽くする制度が「相次相続控除」です。

10年以内に続けて相続があると、2回目の相続(第2次相続)では1回目に払った相続税の一部を差し引くことができます。ただし、適用できるのは法定相続人に限られますので注意が必要です。

相続税には、このような各種控除も認められていますので、相続税申告が必要となる方は専門家である税理士に相談されてみることをオススメします。
もちろん、私どもでも相続税の各種控除について活用ができないか、しっかり検討させて頂きます。
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